僕はむかしキャバクラのスカウトをしていた。本職ではなくて、半分趣味みたいなものだった。街に出て、綺麗な女の子に声をかけて、お店に誘う。面接まで来てくれる子は1日に1人いるかいないかで、実際に働いてキャバ嬢になれる子は、その中の5人に1人だった。入店を決め、10回以上出勤させれば、僕らにお金が入ってくる。金額は女の子のグレードによって細かく変わる。
メグミさんに出会ったのは、まだ蒸し暑い8月の夜だった。いつも僕が立っている駅前の交差点で、彼女を見つけた。綺麗に日焼けしていて、メイクもバッチリで、服装も胸の谷間と背中が全開なのに、なぜかスーパーの買い物袋を両手に抱えていて、そのギャップに思わず声をかけてしまった。メグミさんはなぜか既に酔っぱらっていた。
「あたしお水じゃなくて風俗だよ」風俗?「ヘルス」あ、そうなんだ、ねぇ、何をそんなにいっぱい買ったの?「焼き鳥。特売だったから。あたしこれでも旦那さんがいるのよ」そうなんだ、ねぇ、ちょっとそこで話しようよ。
スーパーの袋を両手に持った派手な女の子と、黒スーツの男の立ち話は、見かけがあまり良くないし、通行人の邪魔になってしまうので、僕はメグミさんの手を引っ張ってビルの谷間にある小さな駐車場に連れて行った。そこは人もまばらで、手ごろなベンチもあった。
メグミさんは実は27歳で(20代前半かと思った)、むかしはキャバもやっていたが今は渋谷のヘルスで働いているらしかった。気に入ったお客さんがいれば本番もやらせている、といった。
「でも、病気とか怖いでしょ、必ず月一で検査はしてるんだけど、でも、プレーしてるとやっぱり気持ちよくなってきて、タイプのお客さんとかだと、いいかなって、入れちゃうときがある。たいていはちゃんとゴムつけてるけど、でも、こわいよね」
僕は自分のお店の話をいちおう建前でしてみた。セクシー系のキャバもあって、時給はこれくらいでと、いつものように伝えた。「セクシー系っておっぱい出すんだ?あたし胸が小さいから無理だな」そんなことないよ、と言いながら僕は彼女の胸をさわった。やわらかくて適度な弾力があって、20歳ぐらいにしかみえないと言った。「ありがとう」 僕はしばらく、彼女の胸や乳首をさわリ続けた。彼女は酔っぱらっているせいなのか、蒸し暑い夜のせいなのか、そのままじっとしていて動かなかった。
夜ご飯、まだ食べてないんだ。つきあってもらっていいかな?コンビニで弁当買って、どこかで食べるよ。
湖のほとりに木製のベンチがあって、そこに二人並んで座った。空にはもう星が出ていて、湖からふいてくる風が冷たくて気持ちよかった。メグミさんは缶ビールを飲みながら話をした。旦那さんは好きだけどもうHはしていないということ、むかしダンスをしていてTVに出たこともあるということ、いつもきちんと夕食をつくって旦那の帰りを待っているということ。「たぶんまだ好きなんだとおもうよ、Hはないけどね」
歩道を照らす街灯の光が、湖に反射して、きらきら輝いてゆれていた。学生らしいグループが向こうの方で花火をしながら騒いでいる。湖の向こうに高層マンションの明かりがいくつも見えて、あそがあたしの家、とメグミさんは指差しながら言った。
「ねぇ、あれだけ胸さわられたら、そのままお別れ、できないんだけど」
メグミさんは僕の目をじっと覗き込んで言った。酔っぱらっているせいなのか、彼女の目は僕ではなくて違う何かを見ている気がした。目は真剣に、遠くにある何かを求めていた。そうだね、と僕は食べ終わった弁当の殻を袋にしまって、彼女と手をつないで歩き始めた。
「はいっちゃうよ」
だめだよゴムしないと、と力のない台詞が僕の口からもれた。それが建前なのはわかっていた。
彼女はするっと腰を下ろし、奥まで入れてきた。生で入れて大丈夫かなと一瞬はっきりと思ったが、それも徐々に頭の隅に消えていった。
彼女はゆっくりと抜き、そしてまた、奥まで入れた。声がもれる。僕も彼女の腰を両手で抱き、少しずつ手に力をこめていった。
むかしダンスをやっていたというのは本当らしく、お腹には無駄な脂肪がすこしもなかった。日サロで焼いた全身は、綺麗にひきしまっていて、形の良い胸がゆれていた。体は本当に20歳の女の子だった。
正常位で彼女の胸をわしづかみにして激しく動いた。彼女の声も大きくなる。腹筋にすごく力が入っているのが分かる。そのまま最後まで、僕は彼女を強く抱いていた。
「彼女、心配だと思うよ」
お互いに服を着ている最中、メグミさんが言った。え、なにが? ふふふ、と彼女は笑った。そのまま僕らは手を振って別れた。電話番号とメアドを交換して。
翌日、電話をかけてみたが、つながらなかった。メールへの返信もなかった。働いているお店の名前、ちゃんと聞いておけば良かったと後からすこし思った。
あの夜の後、一度だけ、あの横断歩道でメグミさんを見かけたことがある。時間も前回と同じ夜の7時で、片方の腕にスーパーの袋を持っていた。目はじっと前を見ている。一瞬、声をかけようかどうしようか迷ったけれど、僕はそこに立ち止まったまま動かなかった。やがて信号は青になり、彼女は向こう側へと歩いて行った。
ヘルス嬢メグミさん
2006.08.30メグミさんに出会ったのは、まだ蒸し暑い8月の夜だった。いつも僕が立っている駅前の交差点で、彼女を見つけた。綺麗に日焼けしていて、メイクもバッチリで、服装も胸の谷間と背中が全開なのに、なぜかスーパーの買い物袋を両手に抱えていて、そのギャップに思わず声をかけてしまった。メグミさんはなぜか既に酔っぱらっていた。
「あたしお水じゃなくて風俗だよ」風俗?「ヘルス」あ、そうなんだ、ねぇ、何をそんなにいっぱい買ったの?「焼き鳥。特売だったから。あたしこれでも旦那さんがいるのよ」そうなんだ、ねぇ、ちょっとそこで話しようよ。
スーパーの袋を両手に持った派手な女の子と、黒スーツの男の立ち話は、見かけがあまり良くないし、通行人の邪魔になってしまうので、僕はメグミさんの手を引っ張ってビルの谷間にある小さな駐車場に連れて行った。そこは人もまばらで、手ごろなベンチもあった。
メグミさんは実は27歳で(20代前半かと思った)、むかしはキャバもやっていたが今は渋谷のヘルスで働いているらしかった。気に入ったお客さんがいれば本番もやらせている、といった。
「でも、病気とか怖いでしょ、必ず月一で検査はしてるんだけど、でも、プレーしてるとやっぱり気持ちよくなってきて、タイプのお客さんとかだと、いいかなって、入れちゃうときがある。たいていはちゃんとゴムつけてるけど、でも、こわいよね」
僕は自分のお店の話をいちおう建前でしてみた。セクシー系のキャバもあって、時給はこれくらいでと、いつものように伝えた。「セクシー系っておっぱい出すんだ?あたし胸が小さいから無理だな」そんなことないよ、と言いながら僕は彼女の胸をさわった。やわらかくて適度な弾力があって、20歳ぐらいにしかみえないと言った。「ありがとう」 僕はしばらく、彼女の胸や乳首をさわリ続けた。彼女は酔っぱらっているせいなのか、蒸し暑い夜のせいなのか、そのままじっとしていて動かなかった。
夜ご飯、まだ食べてないんだ。つきあってもらっていいかな?コンビニで弁当買って、どこかで食べるよ。
湖のほとりに木製のベンチがあって、そこに二人並んで座った。空にはもう星が出ていて、湖からふいてくる風が冷たくて気持ちよかった。メグミさんは缶ビールを飲みながら話をした。旦那さんは好きだけどもうHはしていないということ、むかしダンスをしていてTVに出たこともあるということ、いつもきちんと夕食をつくって旦那の帰りを待っているということ。「たぶんまだ好きなんだとおもうよ、Hはないけどね」
歩道を照らす街灯の光が、湖に反射して、きらきら輝いてゆれていた。学生らしいグループが向こうの方で花火をしながら騒いでいる。湖の向こうに高層マンションの明かりがいくつも見えて、あそがあたしの家、とメグミさんは指差しながら言った。
「ねぇ、あれだけ胸さわられたら、そのままお別れ、できないんだけど」
メグミさんは僕の目をじっと覗き込んで言った。酔っぱらっているせいなのか、彼女の目は僕ではなくて違う何かを見ている気がした。目は真剣に、遠くにある何かを求めていた。そうだね、と僕は食べ終わった弁当の殻を袋にしまって、彼女と手をつないで歩き始めた。
「はいっちゃうよ」
だめだよゴムしないと、と力のない台詞が僕の口からもれた。それが建前なのはわかっていた。
彼女はするっと腰を下ろし、奥まで入れてきた。生で入れて大丈夫かなと一瞬はっきりと思ったが、それも徐々に頭の隅に消えていった。
彼女はゆっくりと抜き、そしてまた、奥まで入れた。声がもれる。僕も彼女の腰を両手で抱き、少しずつ手に力をこめていった。
むかしダンスをやっていたというのは本当らしく、お腹には無駄な脂肪がすこしもなかった。日サロで焼いた全身は、綺麗にひきしまっていて、形の良い胸がゆれていた。体は本当に20歳の女の子だった。
正常位で彼女の胸をわしづかみにして激しく動いた。彼女の声も大きくなる。腹筋にすごく力が入っているのが分かる。そのまま最後まで、僕は彼女を強く抱いていた。
「彼女、心配だと思うよ」
お互いに服を着ている最中、メグミさんが言った。え、なにが? ふふふ、と彼女は笑った。そのまま僕らは手を振って別れた。電話番号とメアドを交換して。
翌日、電話をかけてみたが、つながらなかった。メールへの返信もなかった。働いているお店の名前、ちゃんと聞いておけば良かったと後からすこし思った。
あの夜の後、一度だけ、あの横断歩道でメグミさんを見かけたことがある。時間も前回と同じ夜の7時で、片方の腕にスーパーの袋を持っていた。目はじっと前を見ている。一瞬、声をかけようかどうしようか迷ったけれど、僕はそこに立ち止まったまま動かなかった。やがて信号は青になり、彼女は向こう側へと歩いて行った。