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「夏に南に行くのはフィンランド人の習性で俺はフィンランド人じゃないので夏に北に行く」
初日は寝坊したので郡山までしか行けず、二日目は山形大学に入学した同級生宅で(ごにょごにょ)し、三日目はなんとか車中泊で青函トンネルをくぐりぬけ、四日目にしてやっと札幌到着。ANAなら二時間のところを四日間。到着したのは夜で、みどりの窓口脇にある宿泊施設斡旋所でホテルを探すがどこも満員。どういうこと? 「市内がお祭りなんですよ」
初、北海道。初、札幌市内。路面電車が現役で走っているのに「なまら」驚く。今夜の宿泊先は札駅から徒歩25分の場所にあるビジネスホテル。夜がふけるにつれ、なまら寒い、なんで? 8月15日だぞ? と思いつつお腹が鳴る。北海道といえば味噌ラーメン! ということで「地元の力士・大絶賛!」(札幌に力士いた?)のラーメン屋に入り「特厚チャーシュー大盛味噌ラーメン」を頼んで食す。めっちゃ美味! ビバ札幌! ニーハオ札幌! チャルモッケスムニダ札幌!!!
……。
俺の空元気もここまでだった。
遥か彼方の北海道、一人ぼっちのセンチメンタル・ジャーニー。心は何にも変わらない。あの子が好きだ。でも不倫中。さらに妊娠中。ここはどこ? ここは札幌。うう、寒い。比喩なんかじゃなくて本当に寒い。夜とはいえ何だこれ? 真夏なのに16度? バンッ。と空が輝く。青く、赤く。ああ、花火。次々に降る。お祭りは本当なんだ、だから人が多いのか・・・。俺は見知らぬ群集に混じってうろうろする。ここはどこ? ここは巨大なオフィス街。札幌市内のど真ん中、シャッターは全て閉じ、壁際に浮浪者らしき人たちがごろごろ寝そべっている。その中に、彼女がいた。
アウフヘーベン(無職童貞29歳)桜井の妄想
2007.08.22
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「人生のキップには二種類あって、でもどちらを選んでも最終的には幸福になれる」
*** アウフヘーベン(無職童貞29歳)桜井の妄想 ***
俺が生まれて初めて「ナンパ」をしたのは、19歳の頃で、場所は北海道の札幌だった。ちょうど今から10年前の話で、相手は15歳で、高校を中退したばかりの子だった。それは盆祭りの夜だった。盆祭り、8月15日の夜といっても北海道は寒く、コンビニではホット缶とおでんが完備されており、彼女は閉じられたビルの玄関前で浮浪者たちと一緒に下を向いて寒そうに身をかがめて座っていた。
最初から話そう。
19歳の俺は上京したてで慣れない電車乗り換えと2ヶ月ほど片思いしたあげくに「いま不倫中だから桜井くんの出る幕はこれっぽっちもないの」とふられて意気消沈、見るに見かねた大親友のワタナベが「これで行けるとこまで行ってこい」とANAの「成田⇔ロス・アン・ジェルス」便のオープンエアチケットを手渡してくれて、「マジぽ!?」(ああ当時まだ「ぽ( )」は無いか)と小躍りしてたら「ごめん、ごめん、さくらいのは、こっち」と俺の手元に18キップ。青春18キップ。JRの各停しか乗れないこの世で最遅のチケット。これでこっそりグリーン車にでも乗ろうものなら車掌に「はっ?」みたいな「へっ?」みたいなルンペンかね君は的な顔をされて途中下車。ええ。で、ワタナベ。1回分だけ使用済みだから1万円で購入したんだけど後で計算したらちょっと割高じゃねーか商売上手ワタナベ。さすが社長の息子ワタナベ。嗚呼・仮性包茎ワタナベ。「じゃあ、このロス・アン・ジェルス行きのチケットは?」「カート様の追悼ライブを見に行くのです」「え、ずるい。俺も連れてってよ」「やだよ」「いいじゃん」「やだよ」「いいじゃんワタナベの○○っ!」さよならカート。俺はくだらない男だけど俺の旅行はくだらなくないし、俺のキップは日本中で使えるし、その日本からでも追悼心は海を越えて空を飛んできっとあなたのもとへと届くでおじゃるじゃるじゃる。
では、行って来ます。
アウフヘーベン(無職童貞29歳)桜井の妄想
2007.02.10